東日本大震災の被害と復興を知ってもらうため、山形県生まれで山形市在住の大学生3人を被災地の宮城県気仙沼市に派遣し、被災者や行政担当者から直接話を聴いてもらいました。学生はテレビや新聞などでは伝えられない実情を見聞きし、強烈な印象を受けて帰って来ました。山形市民の立場から感じたことや考えたことを、「気仙沼さんま祭りin山形」の「学生語り部コーナー」で来場者に語りました。
学生たちは行政の防災担当者から「震災前に用意していたマニュアルは膨大過ぎて、どこに何が書いてあるか分からず、本番ではあまり役に立たなかった」など、震災の最前線の話をたくさん聞き、コンクリートの高い防潮堤に違和感を覚えるといった、被災地の実情を肌で感じてきました。これらの話を聞いたさんま祭りの来場者は、大震災や復興への認識を新たにしたようでした。また、自然災害のほとんどない山形市で災害が発生した場合の対応や普段の防災意識について、来場者に考えるきっかけを作ったと思います。さんま祭りでは従来、気仙沼から語り部を招いていましたが、自然災害と縁遠い山形の若者の視点から大震災を語るという手法も、山形市民を引き付けられることが判明しました。