近年の山形のクラシック音楽界の水準の向上は目覚しいものがあるが、優れた資質を備えた新人が良い演奏の機会に恵まれ、社会的に認められるには未だに多くの困難がある。私たちは、その優れた才能を紹介し、また応援していく1つの場として平成7年より「山形県出身者新人演奏会」を開催してきた。
今回の事業では、この基金の支援もあり、オーディションを実行委員会が企画・運営し、開催することが出来た。
平成21年3月8日(日)、文翔館議場ホールにてオーディションイベントを開催した。オーディション参加者数は、ピアノ部門、声楽部門、器楽部門を併せ16名だった。
厳しい審査の雰囲気の中、夫々が大学・大学院で研鑽してきた力を十分に発揮した立派な演奏であった。オーディションではあるが、審査員以外の一般の入場者数が例年を上回り、演奏会としての厳かな雰囲気が、演奏の緊張度を高めた。オーディションの結果、本番の演奏会に出演する合格者11人が選ばれた。
この新人演奏会は、従来、山形市主催により開催されていた事業を、市民の実行委員会による企画・運営へと無事に移行することが出来たと思う。今後は、「山形県出身者新人演奏会」・「オーディション」ともに更に内容を充実し、山形県出身の新人演奏家が希望を持って音楽の勉強に迎えられる環境を守っていきたい。又、山形のクラシック音楽界の水準の更なる向上に貢献したい。