「山形子ども劇場」は、子どもの感性を育むために子どものためのすぐれた生の舞台芸術を定期的に鑑賞する活動と、子どもの創造性を育むために地域や年齢を超えた集団で、子ども達が自主的に関わる様々な体験活動を行ってきました。最近は子ども達が舞台芸術に触れる機会が少なく、また少子化で異年齢交流もできにくく、子どもたちの心を豊かにし、生きる力を身につける場が少なくなってきています。そこで私たちは、伝統的な餅つき体験を通して多くの人との交流を深めてもらいたい、小さな子どもから大人までが一緒に楽しめる芸術の場を提供したいという思いで取り組みました。
1月31日南沼原公民館に92人の親子が集まりました。今回は、地元山形市で活躍されている「大曽根餅つき保存会」「ドンとコドン」の2団体に協力を依頼しました。餅つきでは本格的な臼と杵に触れるのが初めての子どもも多く、「餅つき体験ができてよい思い出になった」と感想がありました。子どもたちは自分で餅をつくことで「またやってみたい」と更なる期待が膨らんでいました。後半の舞台鑑賞では、次々と繰り広げられる楽しいお芝居や腹話術の世界に引き込まれ、笑い声が絶えませんでした。「2歳の子が最後まで集中してみたのは初めてです」と大人も一緒に笑顔をほころばせました。
今回の事業では、山形の貴重な生活文化を紹介でき、舞台鑑賞するきっかけ作りができました。これからも子どもたちの心の成長のために欠かせない、豊かな文化に満たされた交流の場を提供し続けていきたいと思います。