昨年の本事業の調査でも低学年学童に対する教育目的や方法に課題があることが明らかになっています。また、保育者からも防煙教育を行いたい、保護者や家族の意識を変えたいという声は聞かれました。そこで、保育施設・教育機関で活用できる「紙芝居の作成」と「活用」による防煙・無煙環境の拡大、市民の健康増進を目的として事業を計画しました。
紙芝居は、防煙教育を場所、人数、スキル、開催経費を選ばずにできる理想的な教育アイテムです。今年度の紙芝居は、子どもが大人に読み聞かせる内容と、大人が子どもに読み聞かせるものも作成し2つのタイプとしました。子どもと大人の双方向からの教育場面を設定することで、幅広い年齢層への「喫煙行動の抑制」と「受動喫煙による被害防止」の効果が期待できます。
禁煙紙芝居アイデア募集企画では、親子の共同制作、中学校の美術部、一般市民等の幅広い層から14作品の応募がありました。審査を経て2作品を大型紙芝居、7作品をA3判の紙芝居として制作しました。それらの作品は、学校や研修会で実演し、良好な反応を頂きました。特に小学校では親子研修で専門家の防煙教室後、子どもが紙芝居を読み子どもと保護者が見るという場面を設けました。大人とともに学習することで「無煙環境の拡大」の一歩が踏み出せたと考えます。
今後、制作した作品は防煙教室や地域の健康教育活動への貸出しを通じ、幼児から大人まで幅広い層での健康づくりの一助になるものと考えます。