事業の内容
被災地では、少しずつ復興が進んでいますが、仮設住宅などでは高齢者などが、孤立する問題が生じています。また、幼稚園等の子育て施設では、津波により施設が直接的な被害を受けたり、さらに、原発事故の影響により屋外での活動が制限されるなど、今なお、不自由な生活を余儀なくされておりました。 避難所や仮設住宅での炊き出しを目的とした、「もちつきで被災地に勇気と元気を届けようプロジェクト」も、一定の成果を収め、これまでの物的支援に加え、コミュニティー活動や教育活動支援等、ソフト面の支援がより重要となっていました。 そこで、倉庫に眠る杵や臼のもちつき道具を再生し、もちつきの道具とノウハウを届け、コミュニティー活動や幼児教育に活用してもらおうと事業を計画いたしました。 マスメディアを通し、山形市民を中心に被災地に贈るための杵と臼を募集したところ、数多くの問い合わせがありました。結果的に、臼12台、杵10本の申し込みをいただきましたが、専門業者に診断してもらったところ、修復可能な臼8台と8本の杵が提供可能な状態でした。 また、臼と杵の受け入れ先は、河北新報及び仙台FMの報道や復興ボランティア支援センター山形からの紹介により、6件の受け入れ団体を選定しました。道具の提供者の善意をお伝えするため、直接お届けすることとし、希望する団体には、直接実技指導を行い、合わせて餅ぶるまいを行いました。
事業の成果と感想
平成23年度に実施した、食事の提供を目的とした、避難所や仮設住宅での炊き出しとは比較にならないほどの感謝の言葉を、受け入れ団体の方々よりいただきました。もちを単にふるまってもらうことよりも、自らが協力してもちをつきたい、といった、自立に向けた被災者の方々の熱い思いを改めて感じることができました。 山形市の方々から贈られた善意は、これら杵・臼の道具類が存続する限り、被災者の方々の心に響くことと確信しています。
大曽根もちつき保存会 大曽根もちつき保存会