山形市東原町の「もみじ公園」は広く市民に親しまれている景観美あふれる庭園です。特に秋の紅葉はその名の通り錦色成す絶景を鑑賞することができます。
平成23年度より当団体の事業としてスタートした「山形の四季」の初年度として、この「秋景色」をテーマに取り上げました。
1665年頃に建立された古刹・宝幢寺の寺社庭園に由来を持つ由緒ある庭園と伝統的な建築様式の「清風荘」「宝紅庵」の景観に調和する絵画により、芸術と景観の融合によるまちなみづくりに寄与することを本旨とし、本事業を実施しました。
日本画作画は、近年、気鋭の活躍が注目される日本画家・中村哲叡(なかむらてつえい)氏の筆により、現地取材をもとに制作され、その画に山形市在住の書家、小池逢花氏の筆により、正岡子規句「古寺に灯のともりたる紅葉哉」の俳句を揮毫し、「俳画 清風錦景楓図」とし、正面入口右手にこの俳画を看板化したものを設置しました。
この俳画看板の制作・設置は「もみじ公園」の名の通り、この庭園の「ベスト・シーズン」の秋の紅葉を、それ以外の時期にも髣髴させるとともに、子規句の「古寺に・・・」に今はなき古刹・宝幢寺に歴史的な思いを馳せ、豊かな自然とともに、価値ある歴史と伝統の山形の街並みに、より多くの人々が関心を寄せていただけたらと考えています。